最優秀論文賞

情報処理学会ソフトウェア工学研究会主催のソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2014 (SES2014) にて,『大規模OSS開発における不具合修正時間の短縮化を目的としたバグトリアージ手法(柏祐太郎,大平雅雄,阿萬裕久,亀井靖高)』の発表が最優秀論文賞を受賞しました!

受賞論文の概要:本論文では,大規模OSS開発における不具合修正時間の短縮化を目的としたバグトリアージ手法を提案しました.既存手法の多くは,不具合に対する開発者の適性のみを考慮するため,ごく一部の開発者に修正タスクが集中するという問題がありました.既存手法に対し提案手法は,開発者の適性に加えて,開発者が一定期間内に修正作業に使える時間の上限を考慮している点に特徴があります.Mozilla FirefoxおよびEclipse Platformプロジェクトを対象としたケーススタディを行った結果,提案手法について以下の3つの効果を確認しました.(1) 一部の開発者へタスクが集中するという問題を緩和できること.(2)プロジェクト全体としての不具合修正時間を,人手によるバグトリアージに比べて50–83%,既存手法と比べても34–38%の修正時間を削減できること.(3) 提案手法で用いた2つの設定,プリファレンス(開発者の適性)と上限(開発者が取り組むことの出来る時間の上限)が,タスクの分散効果にそれぞれ同程度寄与すること.

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SES2014

情報処理学会ソフトウェア工学研究会主催のソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2014 (SES2014) にて, 『大規模 OSS 開発における不具合修正時間の短縮化を目的としたバグトリアージ手法(柏祐太郎,大平雅雄,阿萬裕久,亀井靖高)』の研究発表/ポスター発表,『オープンソースライセンス変更の自動化における課題(東裕之輔,大平雅雄)』のポスター発表を行いました!

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DICOMO2014

情報処理学会主催のDICOMO2014にて,「コミッター選出のためのプロジェクトメトリクスに関する定量的評価(金城 清史,山谷 陽亮,大平 雅雄)」に関する研究発表をおこないました!

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第185回ソフトウェア工学研究発表会

情報処理学会ソフトウェア工学研究会主催の第185回ソフトウェア工学研究発表会にて, M1の山谷陽亮さんが『ソフトウェア進化の理解を目的とした遅延相関分析手法:OSSプロジェクトデータへの適用(山谷 陽亮, 大平 雅雄)』に関する研究発表をおこないました!

リポジトリマイニング手法の習得支援

ソフトウェアリポジトリマイニング(MSR)技術は,ソフトウェア開発の生産性や品質を改善するための有力な手段の1つです.しかしながら,MSR技術の知識やスキルがない学生にとっては,様々なリポジトリや手法を扱うまでに多くの学習コストが必要となるため,実際のプロジェクトを対象としてMSR技術を適用する事は容易ではありません.そこで,ソフトウェア工学分野における教育的観点から,学生のMSR技術の習得支援を目的としたシミュレーション環境の構築を目指しています.

OSSコミュニティとシステムの共進化を分析するためのデータマイニング手法の構築

近年,システム開発の低価格化・短納期化に対応するために,Linuxをはじめとするオープンソースソフトウェアを活用したシステム開発が一般的になりつつあります.しかし一方で,OSSはボランティアの開発者によって開発が進められているため,「利用しているOSS がいつまで存続するか分からない」という理由からOSSを活用したシステム開発を躊躇するベンダー企業も少なくありません. 続きを読む

バグトリアージ手法の構築

近年の大規模システム開発では,試験工程のみならず運用工程においても多数の不具合が検出されるため,不具合管理システムを用いて,検出された不具合の再現方法や修正方法を詳細に記録し,漏れのないように不具合を管理することが求められる.不具合管理システムに報告された不具合一つ一つに対して,重要度や優先度を設定し,適任の担当者に修正タスクを割当てることをバグトリアージと呼ぶ. 続きを読む