滞留時間の予測モデルの構築

研究概要:

OSSの開発は品質を高めるために,リリースやバージョンアップを頻繁に行っています.リリースやバージョンアップを繰り 返すことで,不具合の修正を行い,商用のソフトウェアに劣らない品質を確保しています.このように頻繁にリリースを行うためには,リリースまでに修正すべ き不具合,またそれに要する時間やコストを見積もることが必要となります[1].
多くの不具合はバグ管理システムに登録される際に優先度が指定され,修正に取り掛かる優先順位が大まかに決められています.しかし,不具合の修正に要する時間は優先度だけでなく,不具合の複雑さや修正に携わる開発者の技量など様々な要因が考えられます.
我々は不具合の修正に要する時間を左右する要因を追求し,修正に要する時間の予測精度向上に向けて研究を進めています.

バグ管理支援システムの構築

研究背景:

ApacheやLinuxをはじめとするOSSは,社会基盤として広く普及しているため高い品質が求められています.しか しながら,OSSの開発は一般的に,開発者が地理的に分散した環境でメールなどの非同期非対面コミュニケーションメディアを用いた協調作業となるため,開 発中に生じた個々の不具合(バグ)の修正方針や修正状況を開発者間で共有することが困難です.さらに近年,OSSの大規模化や複雑化に伴う不具合の増加 が,不具合情報の共有と管理をますます困難なものにしています.そのため,多くのOSS開発では,不具合情報を一元管理するためにバグ管理システムを導入 し利用していますが,不具合が報告されてから修正が完了するまでの時間(滞留時間)が極めて長いものが数多く存在するという問題が指摘されています.

研究目的:

ソフトウェアに混入する不具合を効率的に修正するための作業支援システムの構築.

 

アプローチ:

未対応時間と修正時間が遅延する要因を分析する

バグ修正プロセス


バグの修正時間短縮に向けた支援

多くのOSSではソフトウェア開発中に発生する不具合(バグ)を一元管理するために,バグ管理システムを利用しています.しかし,OSSの開発者は分散開発を行っているためバグに関する情報共有が困難であることから,我々はバグの修正を効率的に行うためのバグ管理支援システム構築に向けて取り組んでいます. 続きを読む

ソーシャルネットワークを活用した知識共有支援

ソーシャルネットワークの形成支援および活用支援によって組織内・組織間の知識共有や知識協創を促進するための研究を行っています. 特に,大規模なコミュニティにおけるソーシャルネットワークを分析しその構造的特徴や知識共有を支援する上で問題となる要因を特定した上で支援システムの開発に取り組んでいます. 続きを読む

コミュニケーションとコーディネーションの分析

オープンソース・ソフトウェア(OSS)コミュニティは,世界中の開発者がメールや掲示板などのツールを用いて非対面でコミュニケーションをとりながら共同でソフトウェアを開発しているコミュニティです.このような特殊なソフトウェア開発形態であるにも関わらず,LinuxやApacheのように社会的に広く普及している高品質・高機能なソフトウェアを無償で提供することに成功しています. 続きを読む

ソシオメトリクスの開発

ソーシャルネットワーク分析は社会学の分野で確立され発展してきている手法です.ネットワーク構造の特徴やネットワーク内の人物の特徴を数値化するための様々な尺度(ソシオメトリクス)が提案されてきています.しかしながら,我々の研究グループが対象としているオープンソース・コミュニティの特徴をうまくとらえる尺度が存在しない場合も多いため,我々がおこなっている分析に必要となるソシオメトリクスについては独自に開発しています. 続きを読む

OSS開発におけるアウェアネス支援

共同作業においてはアウェアネス(現状の把握)を確保することが重要となります.しかし,OSS開発においては言語や文化,習慣等が異なる世界中の不特定多数のボランティア集団によって開発を進められているため,アウェアネスを確保することが難しくなります.そこで,OSS開発におけるアウェアネスの確保を支援する研究を行っています. 続きを読む

An Algorithm for Gradual Patch Acceptance Detection

Kastsert大学(タイ)/奈良先端大とのとの国際共同研究の成果をまとめた論文「An Algorithm for Gradual Patch Acceptance Detection in Open Source Software Repository Mining (Passakorn Phannachitta, Akinori Ihara, Pijak Jirapiwong, Masao Ohira, and Ken-ichi Matsumoto)」がIEICE Transactions on Information and Systemsに掲載されました!