メールの題名(subject)の先頭には半角英数字で [HI120:entry] を付けてくだ さい. 受理したものに関しては返信メールをお送りします.送付した後 5 日 経過しても返信が届かない場合は再度電子メールで問い合わせください. [HI120:entry] HI研究会(第120回)発表申し込み susu-ku@is.naist.jp,masao@is.naist.jp,naohiro-y@is.naist.jp,matumoto@is.naist.jp 下記の通りHI研究会(第120回)へ発表申し込みさせていただきます.宜しくお 願い申し上げます. ------------------------------------- HI研究会(第120回)発表申し込み 題名:対面コミュニケーションにおけるTreemapを用いた共著関係の視覚化の効用 著者名(所属):栗山 進(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科) 大平 雅雄(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科) 湯浅 直弘(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科) 松本 健一(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科) 連絡者名:栗山 進 連絡者住所:〒630-0101 奈良県生駒市高山町 8916-5 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 ソフトウェア工学講座 電話番号:0743-72-5318, 5312 Fax番号:0743-72-5319 Email:susu-ku@is.naist.jp 概要(200文字程度): 我々はこれまで,研究者個々人の共著関係を共著論文数によって重み付けられ たTreemapとして視覚化し,会議や集会における研究者らのインフォーマルな コミュニケーションを支援するシステムSCACS (Social Context-Aware Communication System) を開発してきた.本稿では,システムの効用を調べる ことを目的としておこなったケーススタディについて報告する.ケーススタディ の結果,SCACSが視覚化する共著グラフは,対話相手の社会的情報(社交性, 所属機関,役職など)を推測する際に利用できることを確認した. ------------------------------------- -- 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 情報システム学専攻 ソフトウェア工学講座 博士後期課程 2年 栗山 進 Mail: susu-ku@is.naist.jp * title 対面コミュニケーションにおけるTreemapを用いた共著関係の視覚化の効用 # 以下覚書 共著関係の視覚化がコミュニケーションへ及ぼす影響の考察 Treemapを用いた共著関係の視覚化による対面コミュニケーション手がかり 研究者らの交流支援を目的とした * abstract 我々はこれまで,研究者個々人の共著関係を共著論文数によって重み付けられ たTreemapとして可視化し,会議や集会における研究者らのインフォーマルな コミュニケーションを支援するシステムSCACS (Social Context-Aware Communication System) を開発してきた.本稿では,システムの効用を調べる ことを目的としておこなったケーススタディについて報告する.ケーススタディ の結果,SCACSが視覚化する共著グラフは,対話相手の社会的情報(社交性, 所属機関,役職など)を推測する際に利用できることが確認できた. * はじめに 近年,MySpace や Mixi といったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス) が盛んとなってきている.SNSではユーザが明示的に自分の人間関係情報(友 人であるなど)を登録することができ,その上で各種コミュニケーションのた めのサービス(掲示板やメールのようなメッセージの送受信機能)が提供され ている.そうしたSNSにおいて,人間関係が果たす役割や利点というものも研 究され始めている[ソーシャルネットワークに基づいた情報伝播型コミュニケー ションの実証実験による有効性評価]. また,携帯端末の高度化や環境センサの小型化,RFIDタグなどの普及によりユ ビキタスコンピューティング環境が年々近づいてきている.そうした中,ユビ キタス技術とSNSを連携させたシステムの研究も行われてきている[trace].同 文献では,展示会などのイベントに参加したという事実を用いることで人々の 交流を支援する試みがなされている.そこで運用されているSNSでは,誰が同 じイベントへ参加していたのかが彼らの写真などと共に表示されるようになっ ている.しかしながら,SNSで扱われるような人間関係がコミュニケーション へどのような影響を与えるかを調査した研究はまだ少ないのが現状である.そ こで我々は来るべきユビキタス環境へ向けて,コミュニケーション支援に人間 関係を用いることによる効用を明らかにすることを目的とする. 本研究ではその第一歩として,対面コミュニケーション時にコミュニケーショ ン相手の人間関係を可視化する効用を調べている最中である.我々は研究者個々 人の共著関係を視覚化し,会議や集会における研究者らのインフォーマルなコ ミュニケーションを支援するシステムSCACS (Social Context-Aware Communication System) を開発してきた.人間関係として共著関係を利用する のは,一般に公開されている情報であること,共著したという事実を扱うため 人間関係の定義の曖昧性をある程度避けることができると考えたからである. 本稿では,システムの効用を調べることを目的としておこなったケーススタディ について報告する. 次の章では関連研究を紹介し,続く3章ではケーススタディのためのシステム として使用したSCACSについて紹介し,4章ではSCACSが採用したTreemapによる 共著関係の視覚化が対面コミュニケーションに与える影響についての仮説を述 べ分析の視点とする.5章では実際に研究者を対象として行ったケーススタディ の結果について述べる.6章で考察を行い,最後にまとめを述べる. ---この章はここまで.後はメモ--- また,上記のようなオンライン上のコミュニケショーンの研究のみならず,実 空間においても人間関係を利用してコミュニケーションを支援するシステムの 開発及び研究[Polyphonet, www2006 の方が良いかな?アルゴリズム中心だけ れども,システムについても述べられている]が行われている.Polyphonetは 企業の展示会や学会といったイベント空間において,展示発表のスケジューリ ング及び推薦や,他の参加者との交流を支援するシステムである.Polyphonet はイベント参加者同士のつながりを抽出し,可視化することで参加者同士の交 流を支援する.また,イベント空間でのコミュニケーション支援システムとし ては,C-MAP[cmap]も挙げられる.C-MAPは展示会のような場で,展示に関する興 味の共有により,参加者間のコミュニケーションを支援する. しかしながら,対面コミュニケーション時にコミュニケーション相手の人間関 係を可視化する効用についてはまだ明らかでない.そこで我々は研究者個々人 の共著関係を視覚化し,会議や集会における研究者らのインフォーマルなコミュ ニケーションを支援するシステムSCACS (Social Context-Aware Communication System) を開発してきた.対面コミュニケーション支援面での Polyphonetとの違いは,SCACSは共著関係をTreemapとして視覚化する点にある. 人間関係として共著関係を利用するのは,一般に公開されている情報であるこ と,共著したという事実を扱うため人間関係の定義の曖昧性をある程度避ける ことができると考えたからである. 次の章では関連研究を紹介し,続く3章ではケーススタディのためのシステム として使用したSCACSについて紹介し,4章ではSCACSが採用したTreemapによる 共著関係の視覚化が対面コミュニケーションに与える影響についての仮説を述 べ分析の視点とする.5章では実際に研究者を対象として行ったケーススタディ の結果について述べる.6章で考察を行い,最後にまとめを述べる. # 3章では共著関係を知ることで,話題の元となったり,社会的情報を得るこ とができるという利点について述べる. S. Counts and J. Geraci. Incorporating physical co-presence at events into digital social networking. In CHI '05: CHI '05 extended abstracts on Human factors in computing systems, pages 1308-1311, 2005. * 関連研究 学会や展示会などのような多数の人々が集まる場所において,コミュニケーショ ンを支援するシステムは多数存在する.C-MAP[]は展示会のような場で,展示 に関する興味の共有により,参加者間のコミュニケーションを支援する. SCACSは主に人間関係の活用に注目しており,その点で大きく異なる.SCACSは 例えば,初対面の相手と会話する際に,共通の知人を提示することで会話のきっ かけや方針を与えるといったことを意図している. # 何をするシステムなのか少し書いてみた Sparks[]は会話中に,お互いに興味を持っている事柄に関するキーワードを床 面に表示することでコミュニケーションを支援する.Sparks はまた,以前に 会ったことがあるかどうかで表示色を変更する.SCACS とはコミュニケーショ ン相手が誰と関係を持っているかという情報を提示する点で異なる. Polyphonet[]は展示発表のスケジューリング及び推薦や,他の参加者との交流 を支援するシステムである.Polyphonet はイベント参加者同士のつながりを 抽出し,可視化することで参加者同士の交流を支援する. # Polyphonet との違いを主張.言い回しが今ひとつ PolyphonetはSCACSと同様に,コミュニケーション相手が誰と関係を持ってい るかという情報も提示するが,2つの研究が属する研究の流れは大きく異なる. PolyphonetやSCACSといったユビキタスアプリケーションの研究には以下に挙 げる3種の大きな流れがある[Abowd2000]. 1.自然な入出力インタフェースを追求する研究 2.ユーザが置かれている状況に適合し(コンテクストアウェア),適切なサポートを行うシステムを追及する研究 3.情報の自動収集及び,集めた情報への柔軟で自在なアクセスの提供を追求する研究 Polyphonetはソーシャルネットワークの自動抽出に力点を置いた研究であるの で3に属す.一方SCACSは2を指向する研究であり,両者の違いはユーザに提示 する情報の視覚化方式に表れている.Polyphonet では図[figure-undirected] のような無向グラフの方式を用いているが,SCACSでは図[figure-treemap] の ようなtreemapの方式を用いている.SCACSは対面コミュニケーションを使用場 面と想定し,その状況に適していると考えられる視覚化方式を採用した.これ らの視覚化方式については?章で詳しく説明する. ---この章はここまで.後はメモ--- 3分類について natural interfaces context-aware applications automated capture and access [Abowd2000] Abowd, G. D. and Mynatt, E. D. 2000. Charting past, present, and future research in ubiquitous computing. ACM Trans. Comput.-Hum. Interact. 7, 1 (Mar. 2000), 29-58. DOI= http://doi.acm.org/10.1145/344949.344988 A. Chew, V. Leclerc, S. Sadi, A. Tang, and H. Ishii. Sparks. In CHI '05: CHI '05 extended abstracts on Human factors in computing systems, pages 1276-1279, 2005. ソーシャルネットワークに基づいた情報伝播型コミュニケーションの実証実験による有効性評価 竹内 亨, 寺西 裕一, 春本 要, 下條 真司 情報処理学会論文誌 2006.2 また,上記のようなオンライン上のコミュニケショーンの研究のみならず,実 空間においても人間関係を利用してコミュニケーションを支援するシステムの 開発及び研究[Polyphonet, www2006 の方が良いかな?アルゴリズム中心だけ れども,システムについても述べられている]が行われている.Polyphonetは 企業の展示会や学会といったイベント空間において,展示発表のスケジューリ ング及び推薦や,他の参加者との交流を支援するシステムである.Polyphonet はイベント参加者同士のつながりを抽出し,可視化することで参加者同士の交 流を支援する.また,イベント空間でのコミュニケーション支援システムとし ては,C-MAP[?]も挙げられる.C-MAPは展示会のような場で,展示に関する興 味の共有により,参加者間のコミュニケーションを支援する. しかしながら,対面コミュニケーション時にコミュニケーション相手の人間関 係を可視化する効用についてはまだ明らかでない.そこで我々は研究者個々人 の共著関係を視覚化し,会議や集会における研究者らのインフォーマルなコミュ ニケーションを支援するシステムSCACS (Social Context-Aware Communication System) を開発してきた.対面コミュニケーション支援面での Polyphonetとの違いは,SCACSは共著関係をTreemapとして視覚化する点にある. 人間関係として共著関係を利用するのは,一般に公開されている情報であるこ と,共著したという事実を扱うため人間関係の定義の曖昧性をある程度避ける ことができると考えたからである. * Social Context-Aware Communication System これまで我々は研究者間のコミュニケーションを支援するために,共著関係を 可視化するシステムSCACS (a Social Context-Aware Communication System) を構築してきた[4].SCACSは対話相手の共著関係をその場で可視化し,ユーザ に提示する.これによりユーザは互いの研究コミュニティ内における関係や, 相手の研究面の背景をある程度知ることができる. ** システム構成 図?にSCACSのシステム構成を示す.SCACSはSNS Server, Environmental Sensor, Portable Computer, Display Deviceの4つの構成要素からなるが,以 下にそれぞれについての説明を述べる. SNS Server 共著情報を複数の学会(情報処理学会,HI学会,電子情報通信学会,人工知能 学会など)の文献検索サービスから収集し,共著情報を扱うクライアント (Portable Computer)からアクセス可能なAPIを提供する. Environmental Sensor ユーザの向きや他のユーザとの距離などといった,身体的・環境的なコンテク ストを獲得するために環境中に配置される各種センサ群.WebcamやGPS,RFID, ジャイロセンサなどの利用を想定している.Environmental Sensorによって獲 得された情報は,以降で述べるPortable Computerに提供される. Portable Computer 上記のSNS ServerとEnvironmental Sensorから獲得した情報を統合し,ユーザ が現在置かれている社会的な状況を考慮した情報を生成,視覚化し,Display Deviceへ視覚化された情報を送信する.生成される情報は主に,対話相手の共 著関係である.共著関係の視覚化方式については次節で述べる. Display Device 上記Portable Computerから受信した情報をユーザに提示するデバイス.図?は HMD (Head Mound Display)をDisplay Deviceとして使用した場合の例である. PDAや携帯電話の表示画面など,状況に応じて各種のものの利用を想定してい る.我々はSCACSを研究会議においてのみ適用するのではなく,他の様々なミー ティングの場における適用も考えているが,本稿では研究会議におけるSCACSを 用いた研究者間の対面コミュニケーションについて述べる. 図? システム構成図 図? HMDとWebcamを利用したユーザインタフェース ** ソーシャルネットワークの視覚化 ここではSCACSのPortable Computerが行う共著関係の視覚化の方式について述 べる.一般的に,ソーシャルネットワークは有向/無向グラフとして表現され ることが多い.有向/無向グラフ表現はソーシャルネットワークを巨視的な観 点から分析するには大いに助けになる. しかしながら,共著関係のような複雑なネットワークを有向/無向グラフで表 現する場合,一見しただけでは誰が誰と関係しているかが分かり辛い問題があ る.特に学会でのインフォーマルな対面コミュニケーションでは,対話相手の 研究面の背景や自分との関係を理解するのにグラフ表現は適さないと考えられ る. 対面コミュニケーション時にそのような複雑なネットワークを表現するにあたっ て,我々はtreemap[?]の手法を用いることにした.treemapは,複雑な階層ツ リー構造を表現する手法の1つである.しかしながら,treemap手法は木構造に 対して考案されたものであり,そのままではソーシャルネットワークのような 閉路を持つグラフには適用することはできない.そこで我々は,「誰のソーシャ ルネットワークを見ているのか」という視点を持ち込むことでtreemapの手法 を適用することを可能にした. 図? 共著関係の無向グラフ表現のtreemap表現への変換 図?は共著関係ネットワークをtreemapへと変換した例である.図?の上側は, 共著関係を無向グラフとして表現したものである.辺の上の数字は両端の頂点 に対応する人物同士が共著した回数を表す.図?の下側は上側の無向グラフを Smithを根とみなしtreemapで表現したものである.詳細な変換手順については 後述する.また,図?のtreemap表現は,Smithと対面コミュニケーションを行っ ている人物のDisplay Deviceに表示されるSmithの共著情報となる.Smithには 5人の共著者がおり,計37(7+3+4+8+15)回共著している. それでは,無向グラフをtreemap表現へ変換する手順について述べる.まず, SCACSのPortable Computerは対話相手であるSmithの名前を表示領域の左上に 配置する.次に残りの領域にSmithの共著者5名(ノード)を割り当てる.その 際,共著した割合に比例した大きさの領域を割り当てる.この場合,Smithと 一番共著しているBrownに一番大きな領域が割り当てられている.矩形領域の 明度は個々人を識別しやすくするために設けられている.名前が表示されてい ない領域は,その領域内に名前を表示しきれないため省略表示されているだけ である.また,名前に下線が引かれている人物はSmithの共著者の共著者であ ることを意味する(グラフ表示で見た際,Smithから距離2).次にPortable Computerは,Smithの各共著者に割り当てられた領域内を先程と同様の手順で 分割する.例えば,Brownの領域はその名前を示す領域を除いて,Brownの共著 者(Smithの共著者の共著者)を表示するのに用いられる.今度は領域は横方 向ではなく縦方向に分割される.Brownの各共著者に割り当てられる領域の高 さはBrownと共著した割合に比例する.SCACSの現在の実装では,対話相手の共 著者の共著者までしか視覚化しない.距離3以上の人物はそうそう共通の話題 に上ることはないと考えられるからである. # 何をするシステムなのか.シナリオ的に書く * 共著情報を対面コミュニケーション時に提示することの効果 コミュニケーション時に対話相手の人間関係を知ることには以下に挙げる仮説 が成り立つことが予想される.ここでは共著関係という人間関係よりも広くて 曖昧な,お互いに知り合いであるという人間関係においても成り立つように抽 象化した仮説とした. 仮説1 初めて会話する際でも,共通の知人を話題にすることができる可能性がある 互いに共通の知人がいる事が分かった場合,「○○さんとお知り合いですか, 最近どうしているかご存知ですか」や「もしかして□□大学出身の方ですか」 のように共通の知人を起点として会話できる可能性があるということである. 仮説2 コミュニケーション相手とは直接関係が無くとも,共通の知り合いがいることからくる親近感や信頼感を得ることができる可能性がある 自分が強い信頼感を抱いている友人が,コミュニケーション相手とも友人であ る場合,コミュニケーション相手に対して赤の他人よりは信頼してしまうもの である.親近感も同様である. 仮説3 対話相手の社会的情報(社交性,所属機関,役職など)が推測できることにより,コミュニケーション方針決定の指針を得ることができる可能性がある ここで言うコミュニケーション方針とは,専門用語を使うかといったことや, 言葉遣いをどうするかといった会話の様式を指すものとする.人は一般に他者 と会話する際,相手の表情や動作,容貌などを手掛かりとしてコミュニケーショ ンの取り方やその方針を決定している.例えば,新入社員が先輩に話し掛ける 際は言葉遣いに気をつけるであろうし,先輩は新入社員に対して仕事の話をす る際は彼に分かるような言葉を使って話をするものである.そのような,口に する言葉以外にやりとりされているメッセージはノンバーバルメッセージと呼 ばれ,コミュニケーションにおいて重要な役割を果たしていることが明らかと なっている[ノンバーバルコミュニケーション].それゆえ,話し相手が誰とど のような関係であるかという情報も同様にコミュニケーション方針決定の指針 になると考えられる.例としては,恋人の両親と話す際は慎重に言葉を選んで 話すといったことを挙げることができる. 仮説4 システムによってプライバシを侵害されたと感じる可能性がある 一般に人間関係というものはプライバシに関わるの事なので,システムが自動 的に開示することに不快感を感じる可能性があるということである. 次章では,これらの仮説を分析のための視座とし,SCACSによる共著情報の treemap表示が対面コミュニケーションにおいて実際にそのような事象が見ら れるのかを調べるために行ったケーススタディについて述べる. * ケーススタディ 国内で行われたある学会にてケーススタディを行い,アンケートを収集した. ケーススタディ参加者は学会参加者30数名のうちの約半数の15名である.参加 者は年齢も研究暦も様々であった.また,知り合い同士の方が大半であり,今 回初めて顔を合わせた方がいたという方は少なかった.共著関係としては学会 参加者が普段投稿していると思われる複数の学会の一般に公開されている投稿 データベースから抽出して用意しておいた. ケーススタディの流れは以下のとおりである.参加者にSCACSによる共著関係 の視覚化方式(図?)の読み取り方について説明した.参加者は全員,自分の 共著関係を印刷した物(SCACSを利用した際に対話相手に提示される情報と同 じ内容)を身につけた.これを身につけた様子を図?に示す.そして夕食後の 20分程,印刷物を身につけ自由に過ごしてもらった.畳の部屋であり,移動す る時以外は床に座しているのが通常である.著者は会話には参加せず,ケース スタディ参加者間のコミュニケーションを観察していた.最後に,アンケート に記入してもらった. 図? 共著関係を印刷した物を身につけた参加者の様子 ケーススタディの時間中は,3〜4人で集まって会話をしている様子が多く見受 けられた.1対1で会話している人達もいた.その際,共著関係が多数話題に上っ ていた. ** アンケート結果 アンケートでは全体を通しての自由記述と,共著情報が表示される事について の肯定的な感想と否定的な感想の自由記述をしてもらった.肯定的な感想が14 件,否定的な感想は2件であった.肯定的な感想の一部を以下に示す. 知っている名前をみると話しやすかった. うりとバックグラウンドがわかった. 相手の人脈が分かる. 話題のトリガにはなる. 研究に関する人のつながりが良くわかる. 否定的な感想を以下に示す. 会わずとも知っていたことの話題で話すしかなかった. 話題の創出に役に立たなかった. また,全体を通しての自由記述による感想も幾つか得ることが出来た.以下に その幾つかを示す. 顔見知りだらけなので,別のツールとして使ってしまう. 社会性・社交性を詮索してしまう. もたれ合い関係が見える. これらについては次章にて,ケーススタディ中に観察された内容を交えつつ仮 説と共に議論する. ---この章はここまで.後はメモ--- * 考察 まず,仮説1の「共通の知人を話題にすることができる」という観点では,そ れを検証することはできなかった.仮説を傍証するようなアンケート記述 (「話題のトリガにはなる」,「知っている相手でも,思いがけない共著関係 を発見できて面白かった.」,「ある知り合いの先生がよく知った研究所に勤 めていたことがわかった.」)は得られたものの,そのような話題があったこ とを示す直接的な記述は得られなかった.仮説1を検証するにはアンケート項 目を見直すことや,アンケート回収時にインタビューを行う必要があることが 分かった. 仮説2「コミュニケーション相手とは直接関係が無くとも,共通の知り合いが いることからくる親近感や信頼感を得ることができる可能性がある」の検証も できなかった.「いつもより相手に親近感が湧いた」,「知っている名前をみ ると話しやすかった.」といった感想は得られているものの,共通の知り合い がいたからそう感じたのか不明である.仮説2を検証するには,仮説1と同様に アンケート回収時にインタビューを行うことなどの必要がある. 仮説3「対話相手の社会的情報(社交性,所属機関,役職など)が推測できる ことにより,コミュニケーション方針決定の指針を得ることができる可能性が ある」も検証することはできなかった.理由は仮説1と2と同様である.しかし ながら,参加者が対話相手の社会的情報(社交性,所属機関,役職など)を推 測していたことを示すアンケート結果は得られた.以下にそれを示す. 社会性・社交性を詮索してしまう. もたれ合い関係が見える. この感想についても詳しくインタビューを行わなかったため詳細は不明である. それでは,SCACSによる共著関係の視覚化方式により,対話相手の社会的情報 について具体的にどのような推測ができるのかということについて考えられる 例を幾つか示す.章?と図?で述べたように,対話相手の共著者に与えられる表 示領域の幅はその共著割合に比例するのであった.それゆえ例えば,図?に示 すような共著関係の場合,TaroはYujiと一番共著しており,またYujiはTaroと 一番共著しているため,TaroとYujiは互いに良い研究パートナーであるとか長 い付き合いであるといったことが推測できるわけである.他にも,図?のよう に共著者が多い人物の場合,大学の教官である(多数の学生と共著関係になる ことが多いため共著者が増えやすい)とか,積極的にコミュニティ内で研究パー トナーを広く探す社交的な人であるといったことが推測できるわけである.こ のように,対話相手の社会的な地位などを推測できるので,それに応じてコミュ ニケーションの仕方を調整することができる.なお,このことは共著関係を共 著本数で重み付けして共著者を一覧表示するという方式に共通して言えること である.今後のケーススタディ及び実験では,対話相手の共著情報からどのよ うな推測を行い,その結果会話の方針にどのような影響を及ぼしたかどうかを 調べることが望まれる.その際にはインタビューは勿論のこと,回顧の助けを 目的とした会話の録画も検討するべきである. 仮説4「システムによってプライバシを侵害されたと感じる可能性がある」に ついては,仮説を支持するような事象は観察されなかったと共にアンケートに おいても不快感を示した回答は存在しなかった.しかしながら,一般に人間関 係というものはプライバシに関わるの事なので不快感を示す人が出てくるのは 十分考えられることである.今回それが表れなかったのは,参加に同意した方 のみということと20分という短い時間での実施であったこと,知合い同士の方 が多かったことがその要因として考えられる.今後,社会心理学的なアプロー チによるある程度大きく長期的な研究がなされることが望まれる. 今回のケーススタディでは,できるだけ自然な条件設定を目指したため仮説を 検証するまでには至らなかった.仮説を検証したり,どの程度・どのように役 立つのかを詳しく知るためには,ある程度統制された実験が必要になると思わ れるが,統制された実験は今回行ったケーススタディよりも不自然な設定(知 らない者同士を半ば強制的に対面させて会話してもらうなど)になると考えら れる.それゆえ,実際の研究者が多数集まる場においてできるだけ自然な設定 で行った今回のケーススタディの結果は,貴重なものである.仮説の検証まで は至らなかったが,感想を多数得られ,また,好意的な感想が大多数を占めて いた.統制実験を行う際には,話者同士の関係(顔見知りではあるが共著者同 士ではない,全くの初対面など)と表示されている共著関係に知合いがいたか どうかということは最低限考慮しなければならないだろう. また,今回得られた否定的な感想において,話題の元にならなかったというこ とが挙げられていたが,共著関係に知合いを見つけるなど注目できる情報を見 つけられなかった場合は十分あり得ることである. しかしながら現実世界はスモールワールドの性質を持つ[?]ため,共著関係で はなく広く人間関係を扱えば,知り合いを見つけられないなどといった可能性 はあまり高くはならないと考えられる. ---この章はここまで.後はメモ.節も含めて.--- 今回の実験においても,「知っている相手でも,思いがけない共著関係を発見で きて面白かった.」という感想を得ており. 仮説1 初めて会話する際でも,共通の知人を話題にすることができる可能性がある 仮説2 コミュニケーション相手とは直接関係が無くとも,共通の知り合いがいることからくる親近感や信頼感を得ることができる可能性がある 仮説3 対話相手の社会的情報(社交性,所属機関,役職など)が推測できることにより,コミュニケーション方針決定の指針を得ることができる可能性がある 仮説4 システムによってプライバシを侵害されたと感じる可能性がある ケーススタディ中に参加者間の会話を録音しプロトコル分析することや まず,肯定的な感想についてであるが,共著関係を提示する事で,はじめにで 述べたような利点(話題の導入や相手の研究面での背景を知る事や親近感の向 上)が存在することが確認された.どの程度・どのように役立つのかをより詳 しく知るにはある程度統制された実験が必要になると思われるが,統制実験は 今回行った体験形式よりも不自然な設定になると考えられる(知らない者同士 を強制的に対面させて会話してもらうなど)ので,今回の結果も十分意義があ るものと考えている.統制実験を行う際には,話者同士の関係(顔見知りでは あるが共著者同士ではない,全くの初対面など)と表示されている共著関係に 知合いがいたかどうかということは最低限考慮されなければならないだろう. ** 否定的な感想 今回の体験形式では共著情報が表示されることそのものについて不快感を示し た回答は存在しなかっが,一般に人間関係というものはプライバシに関わるの 事なので,不快感を示す人が出てくるのは十分有り得ることである.今回それ が表れなかったのは,参加に同意した方のみということと20分という短い時間 での実施であったこと,知合い同士の方が多かったことがその要因として考え られる.今後,社会心理学的なアプローチによるある程度大きく長期的な研究 がなされることが望まれる. 今回得られた否定的な感想は,話題の元にならなかったということであるが, 共著関係に知合いを見つけるなど注目できる情報を見つけられなかった場合は 十分あり得ることである.しかしながら,現実世界はスモールワールドの性質 を持つ[?]ため,この可能性はあまり高くはならないと考えられる.今回の実 験においても「知っている相手でも,思いがけない共著関係を発見できて面白 かった.」という感想を得ている. 共著情報が表示されることそのもの以外の否定的な感想としては,共著者が多 すぎると表示が省略されてしまっているため,ほとんど共著者の名前が分から ないといったことがあったが,これは印刷物を用いたための制約である.また, 表示が多少わかりにくいとの感想もあったが,利用場面を考慮しつつ改良して ゆく予定である. ** 興味深い利用方法 表??に示されている感想について検討する.それらの感想を体験中観察された ことと共に総合すると,表示された共著関係からその人物の社交性,所属機関 と役職などを推測してしまうということである.これはどういうことかという と,章?と図?で述べたように,対話相手の共著者に与えられる表示領域の幅は その共著割合に比例するのであった.それゆえ例えば,図?に示すような共著 関係が提示された場合,fooとbarはお互いに良き研究パートナー同士であるこ とが推測できるわけである.他にも,図?のように共著者が多い場合,大学の 教官である(多数の学生と共著関係になることが多いため共著者が増えやすい) とか,積極的にコミュニティ内で研究パートナーを広く探す社交的な人である と推測できるわけである.このことは共著関係を共著本数で重み付けして共著 者を一覧表示するという方式に共通して言えることであるが,これは長所とも 短所とも言える.なぜなら,相手の社会的な地位などを推測できるので,それ に応じてコミュニケーションの仕方を調整することができる一方,あくまでも 推測であるため->普段のコミュニケーションでも言える問題(相手の服装で判 断する)なので,変に突っ込みすぎ?だから,他の情報と共に提示した方が好 ましいと考えられるし,利用法に際して何らかの注意をユーザにする必要があ る. で,結局ここは何を言いたいのやら・・・. * まとめ まだ. * 謝辞 本稿を執筆するにあたり,実験準備にご尽力くださいました皆様,実験の被験 者として快くご協力してくださいました皆様に心より感謝いたします. * 参考文献 [19] B. Shneiderman. Tree visualization with tree-maps: 2-d space-filling approach. ACM Trans. Graph., 11(1):92-99, 1992. * ヒューマンインタフェース研究発表会報告原稿作成について(お願い)                          2006情処研第50号                          平成18年8月8日 ご発表者 各位 ヒューマンインタフェース研究発表会報告原稿作成について(お願い) 拝啓 時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 さきにお申込みをいただきました研究発表会の報告原稿提出詳細をお送りし ます。 以下のものを指定の期日までに事務局担当までご提出ください。 なお、研究報告用原稿につきましてはプリントアウトしたものをご郵送くだ さい。              =========== PDFファイルもお送りいただきますがこれは電子図書館に利用させていただ くためです。印刷はオフセットとなりますのでこちらで出力した場合文字化 け等不具合が出る場合があります。 ご提出いただくものは以下の5点です。 1.研究報告用原稿 1部  ・研究報告原稿依頼等について http://www.ipsj.or.jp/09sig/kenkyukai/genko.html   をご参照の上作成ください。  ・ご提出いただいた原稿の発表者への返却を原則として行っておりません。  ・原稿の返却を特に希望される場合は、原稿提出時にその旨を「発表詳細に   ついて」の用紙その他の連絡事項の欄に朱記してください. 2.上記原稿のPDFファイル(*)   メールで送る場合は1Mまで sig@ipsj.or.jp宛   ・Acrobat5.0以下、PDFのバージョン1.4以下で作成してください。   ・フォントは必ず埋め込むんでください。   ・セキュリティはかけないでください。 3.タイトル,著者名(所属),概要のtextファイル                     (いずれも和,英両方)(*) 4.発表詳細についての用紙(研究会当日の使用器具・別刷注文を記載用)  ・フォームは以下からからご入手ください。   http://www.ipsj.or.jp/09sig/kenkyukai/sigbetuzuri.pdf 5.著作権譲渡契約書   ・フォームは、以下からご入手ください。  http://www.ipsj.or.jp/01kyotsu/chosakuken/joto.html * 2および3についての詳細は   別紙(研究報告原稿依頼等について http://www.ipsj.or.jp/09sig/kenkyukai/genko.html )参照 ※ 学会Webページから上記フォームをご入手いただけない方は、事務局まで   ご連絡ください.添付ファイルまたはFaxにてお送りいたします. なお、研究発表会の日時・会場・参加費は下記のとおりです。 (当日、受付にてご発表の旨、お申し出ください。)                                敬 具                 記 ◆日時   平成18年9月29日(金)、30日(土)  ※プログラムはまだできておりません。確定次第以下に更新します。 http://www.ipsj.or.jp/09sig/kaikoku/2006/HI120.html      ◆会場   島根大学 松江キャンパス ◆発表件数 10件 *原稿締切日 9月4日 (月)必着 厳守願います。            *原稿仕上がり枚数  8ページ以内 ◆研究会名英略称―資料No.     HI ― 120   ・発表番号はWeb掲載のプログラムにてご確認ください。   ・最初の発表を1とし、以下降番とします。 ※プログラムはまだできておりません。確定次第以下に更新します。 http://www.ipsj.or.jp/09sig/kaikoku/2006/HI120.html 原稿提出時上記に更新されていない場合はプログラム番号は未記入で結構 です。 ◆参加費(当日お支払いください) ・当研究会登録会員: 無 料                  ・情報処理学会会員: 当日の資料代                  ・情報処理学会学生会員: \ 500                  ・非 会 員: \1,000 + 当日の資料代 個人情報の取扱いについて 当研究報告に掲載された個人情報は,以下でも公表されます. ・情報処理学会Webサイトに,記事タイトルおよび著者名,所属を掲載 ・情報処理学会Webサイト内電子図書館に当研究報告に掲載された記事  タイトル,著者名,所属,アブストラクト,および全文を掲載。  (全文は当研究会登録会員のみ閲覧可) 情報処理学会プライバシーポリシー http://www.ipsj.or.jp/03somu/privacypolicy/privacypolicy.html                               以 上 提出チェックメモ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 □(郵送) カメラレディ原稿 □(郵送) 発表詳細についての用紙 □(郵送) 著作権譲渡契約書 □(郵送 or E-mail )PDFファイル  □(郵送 or E-mail )Textファイル            ― 和文と英文のタイトル,著者名(所属),概要 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 --   (社)情報処理学会 http://www.ipsj.or.jp    研究部門 五味 mail:gomi@ipsj.or.jp  〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台一丁目5番 化学会館4階 Tel (03)3518-8372 fax(03)3518 -8375                  *# for Emacs Local Variables: mode:outline End: